40代以上の女性の青春時代の恋愛バイブルでもあった、矢沢あい先生の作品「天使なんかじゃない」(略して「天ない」)。この作品は、ストーリー自体もすごくおもしろい作品でしたが、個性的なキャラクターたちのセリフの中にたくさんの「名言」があることをご存知でしょうか?
主人公の冴島翠(みどり)、須藤晃(あきら)この2人の名言もさることながら、主人公の冴島翠(みどり)の親友、麻宮裕子(マミリン)が「天ない」の中で数多くの名言を残しています。
そんな「天ない」の名キャラクター、麻宮裕子(マミリン)の名言をご紹介します。
1.図書館で勉強後、翠とマミリンの下校中のシーン
あたしは、冴島翠みたいになりたい
麻宮裕子(まみりん)は高校に入学したころから、自分の夢である「イギリスへ留学すること」を目標に勉強に励んでいました。しかし、冴島翠をはじめ、生徒会役員メンバーとの交流を深めていく中で、いつも明るく元気で常にクラスの人気者である冴島翠と、とっつきにくい性格や、ひとを寄せ付けない雰囲気のせいで、周囲から孤立しがちな自身を比較するようになりました。
そんな時に、翠から「将来は何になりたいの?」と聞かれた時の答えとしてまみりんから出てきた、「あたしは、冴島翠みたいになりたい」という一言。
これは、頑なに周りの人との関係を深めようとしないまみりんのなかで、心情が大きく変化していることを表す象徴的なシーンだとも言えます。
として、この名言の続きが心に染みるセリフなんです。
「うれしい時はちゃんと喜んで
悲しい時はちゃんと泣けるような
そんな当たり前のことが
みんな意外と出来なかったりするのよ」
うんうん、わかるなぁ。
私も出来てないなぁ…
そんな心の底から共感しちゃうセリフがたくさんあるのが、この作品が人気の理由なんでしょうね。
そして、マミリンのこの発言から、翠(みどり)とマミリンの関係が一気に深まった様子が伝わってきます。
2,文化祭が終わったあとの翠とマミリンのシーン
「ほんとに今日はよけいなことしてくれて、とんでもない1日だったわおかげで 楽しかった」
このシーンは聖高校で初めて開催された学園祭が終わった後のワンシーン。
この日、翠の策略で、片思い中の瀧川(タキガワマン)と1日過ごしたマミリン。いろんなトラブルがあったけれど、1日を振り返った時に発したマミリンの名言です。
普段はツンとしたマミリンですが、自分の片思いを応援してくれる翠への感謝の気持ちを、マミリンの素直な言葉で伝えています。
これをきっかけに、マミリンが翠や生徒会役員のメンバーに心を開き始めるきっかけになった名言です。
3,翠がなくした天使の羽のペンダントを見つけたシーン
翠…今度こそ幸せになれるよね?
晃(あきら)が将司(まさし)を探して学校を休学し数か月。
晃に会えない淋しさから元気がない翠を、少しで元気づけるために、翠が無くしてしまった「天使の羽のペンダント」を、体育館倉庫で見つけた時の名言です。
心から純粋に翠(みどり)の幸せを願って止まないマミリンの心情が描かれていて、マミリンと翠(みどり)の絆の深さに思わず涙があふれてくる場面です。
4,2回目の新入生歓迎会のとあるシーン
ありがとうでもあたしは思ってたより平気だわ自分に誠実であれば胸を張っていられるものなのね
志乃と別れた瀧川と付き合い始めたマミリン。
そのことを快く思っていない、他の生徒から嫌味を言われたマミリン。
それに対して、一緒にいた翠が嫌味を言った生徒に喰ってかかっていった後の名言です。
自分が本当に好きな人を結ばれたことで、自信が生まれてきたマミリン。
この名言の時のマミリンは、まっすぐと、そして少し目線を上にした状態で、とても柔らかい表情をしています。このように、マミリンの表情からも、今まで周囲に壁を作っていた「何か」が変わったんだな、というのが伝わり、読んでいる私も「マミリン、かっこいいー!」とエールを送りたくなります。
5,イギリス留学を迷っているマミリンが翠へ正直な想いを伝えたシーン
決まってるじゃない!でもそれだけじゃない!あんたみたいな友達は…もう出来ないかもしれない
実は1年生の時からイギリス留学をしたいと勉強に励んでいたマミリン。
そのことを誰にも話すことなく、自分の中で留めていました。
翠と仲良くなり、生徒会メンバーとの絆を深め、瀧川(タキガワマン)と相思相愛になり、高校に入るまではいつもひとりぼっちにだったマミリンにとって、仲間と離れ離れになって、また一人の生活に戻る事が、とても怖かったのではないでしょうか?
恋の悩みを相談できる友達って、とっても大事ですよね。
このシーンも何回みても、思わず涙がホロリ…となるシーンですね。
今回は「天使なんかじゃないの名キャラクター マミリンの名言ベスト5」をご紹介しました。
この作品全体をとおして、まみりんのセリフはひとつひとつに重みがあり、また普段私たちが人には言えないような心の中の葛藤を表現しているシーンがたくさんあります。
そんな言葉をまみりんのセリフに置き換えて矢沢あい先生が私達にメッセージを送ってくれているのかもしれませんね。
この作品はマミリン以外の他のキャラクターのセリフの中にも名言がたくさんあるので、また別の記事でご紹介したいと思います。
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